最新の調査と今後の課題 今後の史跡整備の方針を決めるため平成17年に来住廃寺32次調査として約40年振りに謎の基壇部分を全面発掘調査しました。これによって、これまで五重の塔と考えられていた基壇は礎石の並び方から庇付きの金堂跡と判明しました。 金堂とは御本尊を安置する本堂のことで、規模は南北8.9m、東西10.8m、基壇の大きさは南北11m、東西13m、で、基壇の一部からは瓦を重ねた基壇化粧と見られるものも残っていました。 出土した瓦は法隆寺の瓦に似たものは少なく未発見の瓦が2種類発見されました。 また基壇の東面からは江戸時代に造られたと考えられる長隆寺の土塀がそのままの状態で埋まっていました。これもきわめて珍しい発見です。 平成19年度からは、講堂(僧侶が経を唱えたり、講義を受けた建物)があったと考えられている地点で、発掘調査が行われています。
New! 松山市文化財調査報告書121 来住・久米地区の遺跡Z 〜平成17年度国庫補助市内遺跡発掘調査事業〜 2008 松山市教育委員会/財団法人松山市生涯学習振興財団/埋蔵文化財センター が出版されました。
来住廃寺35次調査で、奈良時代のものと見られる陶製の「瓦塔(がとう)」の一部が発見されました。瓦塔の出土は県内初。