平成元年度に発掘調査を実施した久米高畑遺跡(くめたかばたけいせき)10次調査地で、方形周溝状遺構から、陶製の仏像台座と考えられる「陶仏台座(とうぶつだいざ)」が確認されました。
陶仏台座は、高さ8.0cm、直径13.0cmほどの大きさで、白鳳時代の来住廃寺(きしはいじ)周辺から出土している初期の瓦と質感が類似していることから7世紀後半頃のものと推定されます。 |
仏像は模式図です。左の陶仏像台座の使われ方を示しています。 周溝状遺構は東西9.4m、南北9.3m、幅1.3〜1.7mの規模で、古墳時代後期(6世紀ころ)の掘立柱建物跡よりも新しい時期の遺構であることが分かっています。
久米高畑遺跡10次調査地は、正倉院(8世紀代)の北西角の西側に位置し、久米評銘刻書須恵器出土地点から東側に約50mほど離れたところに位置します。 |
平城宮出土木簡
「伊豫國伊豫郡川村郷海マ里白髪□□・・」
伊豫国から平城京に納められた租税に付けられた荷札。細かな出荷地と品名が書かれている。
奈良国立文化財研究所蔵 |